吸血鬼の歴史に詳しくなるブログ

吸血鬼の形成の歴史を民間伝承と海外文学の観点から詳しく解説、日本の解説書では紹介されたことがない貴重な情報も紹介します。ニコニコ動画「ゆっくりと学ぶ吸血鬼」もぜひご覧ください。

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「新編 怪奇幻想の文学2 吸血鬼」発売と、ニコニコ動画で「謎の男」の作者判明の経緯解説の動画を投稿しました

本日、2022年12月1日に、新紀元社より「新編 怪奇幻想の文学2 吸血鬼」という吸血鬼アンソロジーが発売されましたので、その宣伝を。今年は5月に「吸血鬼ラスヴァン」、6月には東雅夫編「吸血鬼文学名作選」(いずれも東京創元社)と、今年は吸血鬼イヤーともいうべきほど、吸血鬼アンソロジーが発売される年であり、その最後が本日発売されました。


その中で個人的に一番注目していたのが、カール・アドルフ・フォン・ヴァクスマンの1844年の「謎の男」でした。これはずっと作者不詳として紹介され続けてきた作品であり、ハヤカワ文庫から1980年に発売された「ドラキュラのライヴァルたち」に収録された際も、当然作者不詳として紹介されました。作者が解明したのは、2010年のことです。その作者判明の経緯は、今年4月に当ブログで紹介させて頂きました。

www.vampire-load-ruthven.com
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そんな思い入れのある作品が、本日発売の「怪奇幻想の文学2 吸血鬼」に収録、しかも作者をきちんとヴァクスマンとして公開するということで非常に楽しみでした。作者判明の経緯はブログで解説済みでしたが、今回のアンソロジー発売に合わせるべく、昨日11月30日にニコニ動画でも解説動画を投稿したので、ぜひご覧になってみて下さい。そして本日、件のアンソロを入手したのですが、非常に気になることが書かれていました。



新編 怪奇幻想の文学2 吸血鬼
新編 怪奇幻想の文学2 吸血鬼
さて、今回のアンソロジーで発売前から期待していたことは、「謎の男」の作者が判明したのは2010年と結構近年のこと。であれば、その経緯や背景の解説があるのか、もしかしたら、私が把握していない情報もあるかも、ヴァクスマン発見の経緯がこれでより広まると、勝手に期待を膨らませていた。しかし、編集者の牧原勝志さんの解説には次のようにあった。


なお、本作(謎の男)はマイケル・パリー編の『ドラキュラのライヴァルたち』収録の際は、なぜか作者不詳とされていた


本編では作者はヴァクスマン、原著タイトル"Der Fremde"ときちんと紹介していたこともあり、この解説は予想外過ぎた。この書き方をみるに、なぜ作者不詳と紹介され続けたのか、把握していないご様子であった。


「謎の男」の作者判明の経緯を解説したものは、今のところ当ブログだけとなった。後日、今回のアンソロジーのレビュー記事、そしてニコニコ動画でもレビュー動画を投稿する予定。「謎の男」が収録された「ドラキュラのライヴァルたち」は、これまで入手が非常に難しかったので、これを機にぜひ「怪奇幻想の文学2」を購入して見てはいかがでしょうか。その際は是非下記リンクよりお願い致します。


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