吸血鬼の歴史に詳しくなるブログ

吸血鬼の形成の歴史を民間伝承と海外文学の観点から詳しく解説、日本の解説書では紹介されたことがない貴重な情報も紹介します。ニコニコ動画「ゆっくりと学ぶ吸血鬼」もぜひご覧ください。

MENU

『ディオダティ荘の怪奇談義』をモチーフとした舞台が、日本で初公演されます!

ゆっくりと学ぶ吸血鬼をいつもご覧頂きありがとうございます。
新作の動画はリアルが忙しくて作成に中々時間を取れずに、鈍行で進んでいる状態です。
楽しみにされている方には大変申し訳ないです。

 さて「ゆっくりと学ぶ吸血鬼 第12話」では、吸血鬼を語る上では絶対に欠かせない『ディオダティ荘の怪奇談義』を解説したことを、皆様覚えているでしょうか?
今回、その「ディオダティ荘の怪奇談義」を再現する劇が日本で上演されるという情報をとある方から教えて頂きました。私の動画を視聴下さっている方には当然興味を持つ方もいらっしゃるでしょうから、今回ご紹介することにしました。

商業・同人、海外・国内問わず、現在のありとあらゆる創作の吸血鬼は、1819年、ジョン・ポリドリ作『吸血鬼』に出てくる【吸血鬼ルスヴン卿】の亜流でしかありません。超有名な吸血鬼ドラキュラ伯爵でさえ、ルスヴン卿の影響を受けたものにしか過ぎません。なぜなら、「吸血鬼は高貴な種族(つまり貴族)」「美女の生き血を好む」「女(男も)を魅了する美貌」「首筋から血を吸う」「力が強い」といった、今の吸血鬼でも使われる設定を盛り込んだ吸血鬼だからです。

 そんなポリドリの吸血鬼は、詩人バイロン卿が、スイスのディオダティ荘で暇つぶしに朗読した怪奇譚が面白かったので「自分達でも怪奇譚を書こう」と提案しました。
そうして出来たのがポリドリの「吸血鬼」という作品です。
 その時のメンバーで、ポリドリより1年早く怪奇譚を作り上げた人物がいます。その作品こそがメアリ・シェリー作「フランケンシュタイン」となります。

 バイロン卿が提案したこの提案は、西欧三大モンスターに数えられるうちの2つ、「一般的な吸血鬼であるドラキュラの元祖たる吸血鬼」「フランケンシュタイン」という化け物を生み出しました。
 このバイロン卿が提案した一夜を「ディオダティ荘の怪奇談義」と呼ばれるようになりました。吸血鬼を語る上でこの出来事は必須であり、吸血鬼好きを名乗りながらこのことを知らなければ「にわか」と言われても仕方がないでしょう。高確率で小説ドラキュラを読んでいないということにも繋がります。(平井訳の吸血鬼ドラキュラに解説あり。長らく日本では平井訳しかドラキュラの翻訳はなかった)

 この出来事は、これ自体が摩訶不思議で人間模様も面白い史実であるから、何度か映画化されています。なかでも有名なのが鬼才ケン・ラッセル監督の「ゴシック」という映画でしょう。動画でもインパクトのあるシーンを紹介させて頂きました。



 さてそんな「ディオダティ荘の怪奇談義」を再現した劇が、2018年2月8日~18日(日)までの期間において、東京で上演されます。
詳細はリンク先をご覧いただきたいのですが、劇団:アン・ラト(unrato)主催の【BLOODY POETRY(ブラディ・ポエトリー)】という台詞劇です。1984年にロンドンで初演されたのをきっかけに、イギリスとアメリカでは幾度となく公演されている劇です。そんな劇が今回日本で初めて翻訳公演される運びとなりました。

舞台詳細はここをクリック

 今年2018年は小説フランケンシュタインが作られてから200周年という節目の年であるということもあって、今回公演されることとなったのだと思われます。

 このディオダティ荘の怪奇談義は、「吸血鬼」や「フランケンシュタイン」といった作品よりも、ある意味で面白い出来事であり、英米では幾度となく公演されている舞台です。興味のあるかたはぜひ足を運んでみては如何でしょうか。

 残念ながら初演日の2月8日(木)と最終日の2月18日(日)のチケットは売り切れとなってしまいました。ですがそれ以外の日はまだまだチケットはありますので、興味のある方は早めに購入された方がいいでしょう。

 この舞台は当然、私も見に行きます。そして簡単なレビューと感想を後日投降する予定です。

 以上が、生存報告も兼ねたお知らせとなります。
吸血鬼(とフランケンシュタイン)が生まれた出来事を、ぜひご覧になってみて下さい。

ランキング参加中!クリックして貰えると嬉しいです。
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
人気ブログランキング