- 最初の吸血鬼小説の作者とバイロン卿との出会い
- ディオダティ荘に集結するバイロン一行
- 歴史的一夜「ディオダティ荘の怪奇談義」
- 詩人バイロン卿と吸血鬼ルスヴン卿の共通点
- 【補足①】 ディオダディ、それともディオダティ?
- 【補足②】怪奇譚を書くように提案したのはバイロンではない?
- 【補足③】ディオダティ荘の怪奇談義の時系列について
- ディオダティ荘の怪奇談義をモチーフとした劇や映画について
最初の吸血鬼小説の作者とバイロン卿との出会い
前回は、バイロンが祖国追放となり、近親相姦の関係となっていた最愛の姉・オーガスタと涙のお別れをした11時間後に作った愛人・クレア・クレアモント*1に、スイス・ジュネーブへ行くことを示唆したところまで解説した。今回はいよいよ、「最初の吸血鬼」小説が生まれたきっかけであるディオダティ荘の怪奇談義について解説する。
1816年4月、ついにバイロンが祖国を出る日がやってきた。随行者は、いつも身近に仕えていた忠僕フレッチャー、美少年の小姓ラッシュトン、雇ったスイス人の世話係、そして今回の主役、最初の吸血鬼小説を書くことになるバイロンの侍医、ジョン・ポリドリである*2。
続きを読む